「このメール、感じ悪いかも?」ChatGPTなら普段の言葉からビジネスメールを作れます

仕事で使うAI

仕事でメールを書いていて、

「言いたいことは決まっているのに、どう書けばいいのかわからない」

と手が止まったことはありませんか?

特に困るのが、取引先へのお願いや催促です。

「急いでほしい。でも急かしたくない」
「こちらの都合だから申し訳ない。でも希望の日程も伝えたい」
「困っていることは伝えたい。でも相手を責めているようにはしたくない」

日本語って難しいですよね。

同じ内容でも、ちょっとした言葉の違いで、ずいぶん印象が変わります。

そんなとき、ChatGPTにビジネスメールを考えてもらうことができます。

しかも、こちらが最初からきれいな文章を書く必要はありません。

今回はあえて、普段しゃべっているような言葉でChatGPTにお願いして、どこまでビジネスで使える文章になるのか試してみました。


普段の話し言葉で頼んでも大丈夫?

まずは、取引先との打ち合わせの日程を変更してもらう場面です。

ChatGPTには、こんなふうに頼んでみました。

明日の打ち合わせなんだけど、こっちの都合が悪くなったから来週に変えてほしい。取引先に送るちゃんとしたメールにして

かなり普段の話し言葉です。

「恐れ入りますが」も「ご調整いただけますでしょうか」も使っていません。

さて、これでビジネスメールになるのでしょうか。

きちんとしたメールになりました。

件名まで「打ち合わせ日程変更のお願い」とつけてくれています。

こちらの都合による変更であること、直前のお願いへのお詫び、来週への変更希望など、必要な内容も整理されています。

つまり、ChatGPTに頼むために、こちらが先に「ビジネスメールらしい日本語」を考える必要はないんですね。

言いたいことを普段の言葉で伝えて、文章を整える部分を手伝ってもらう。

こんな使い方ができます。


後から条件を付け足しても大丈夫

でも、ここで思い出しました。

来週ならいつでもいいわけではありません。

月曜日、水曜日、木曜日にはすでに予定があります。

そこで、そのまま追加で伝えてみました。

さらに来週の月曜と水曜と木曜は、もう予定があってダメなんだよね。悪いけど火曜日、金曜日で調整したい。失礼にならないメールにして。

今度は火曜日か金曜日を候補として提示したメールに変更されました。

ここで注目したいのは、最初から条件を全部整理してChatGPTに伝えなくてもいいということです。

「あ、そういえばこれも伝えなきゃ」

と思ったら、後から追加すれば大丈夫。

ChatGPTは、それまでの会話を踏まえて文章を作り直してくれます。

「AIを使うには、完璧な指示文(プロンプト)を書かなければならない」と思うと難しく感じますが、実際には人と相談するときのように、会話しながら詰めていくこともできます。

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「このまま送ると感じ悪い」も相談してみた

次は、もう少し難しいメールを試してみます。

先週お願いした見積書が、まだ届いていないという設定です。

こちらとしては、その見積書が来ないと次の仕事に進めません。

本音をそのまま書くと、

先週お願いした見積書がまだ届いてません。こっちも仕事が進まなくて困ってます。いつ送ってもらえるんでしょうか。

……ちょっと怖い。

間違ったことを言っているわけではありませんが、そのまま取引先に送るのは少し気になります。

そこで、

このまま送ると感じ悪いので、相手を責めない言い方に直して

と付け加えました。

「まだ届いていません」と責めるのではなく、「進捗を確認させていただきたく」という表現に変わりました。

こちらが見積書を待っていることは伝えながら、相手を責めるような印象はかなり薄くなっています。

こういう文章こそ、仕事では悩むところではないでしょうか。


「急かしたくない。でも焦っている」は伝わる?

ここから、さらに難しい注文をしてみました。

実は今回、見積書の遅れが少し深刻だったとします。

だから本当は、かなり早く送ってほしい。

でも相手は取引先なので、

催促しているようなメールにはしたくない。

とはいえ、

こちらが困っていることは伝えたい。

そこでChatGPTに、こんな注文をしました。

遅れがちょっと深刻なんだよね。できるだけ早く欲しいけど、取引先だから急かすようなメールにはしたくない。でも焦ってる感だして。

「焦ってる感だして」。

これも、とてもビジネス用の指示とは思えない言葉です。

しかも、

「急いでほしい。でも急かしたくない」

という、ちょっと矛盾した注文です。

果たして、こんな日本語のニュアンスまでAIに伝わるのでしょうか。

ちゃんと変わりました。

新しいメールでは、

「こちらの都合で恐縮ですが、お見積書の確認後に進める予定の業務があり、今後のスケジュールの都合上、できるだけ早めにご確認させていただけますと大変助かります」

という内容になっています。

「早くしてください」とは書いていません。

でも、こちらの仕事に影響が出始めているので、できれば早くしてほしいという事情は伝わります。

これなら、「かなり待っている」「早く欲しい」という気持ちを残しながら、相手を責めたり期限を突きつけたりする印象はかなり抑えられます。

ChatGPTは日本語の「言葉にしにくい感じ」も相談できる

今回、私が特に面白いと思ったのはここです。

ChatGPTが敬語を使えることではありません。

敬語への変換だけなら、昔から文章作成ソフトなどにも似た機能はありました。

今回伝えたのは、

「失礼にならないように」

「相手を責めないように」

「急かしたくない」

「でも焦っている感じは出したい」

という、日本語の微妙なニュアンスです。

日本語では、同じ「早くしてください」でも、相手との関係や状況によって伝え方が変わります。

特に仕事では、

丁寧すぎると重要性が伝わらない。
強すぎると相手との関係を悪くするかもしれない。

この間をどう書くかで悩むことがあります。

そんな「なんとなくこういう感じにしたい」を、普段の言葉でAIに伝えて文章を一緒に調整できる。

これは、ChatGPTを仕事で使うときの大きな便利さのひとつだと思います。


一度で完成させなくていい

ChatGPTが作った文章を見て、

「ちょっと堅すぎるな」

と思ったら、

「もう少し柔らかくして」

で構いません。

反対に、

「これではこちらが困っていることが伝わらない」

と思ったら、

「もう少し深刻な感じを出して。でも相手を責めないで」

と頼むこともできます。

相手が長く付き合っている取引先なら、

「何度もやり取りしている相手だから、もう少し堅苦しくなくして」

という頼み方もできます。

最初から100点の文章を作ってもらおうとするのではなく、

作ってもらう → 読んでみる → 気になるところを伝える → 直してもらう

と会話しながら、自分が伝えたい文章に近づけていけばいいのです。


ビジネスメールだけじゃない。「仕事で使うAI」を試してみよう

今回はビジネスメールを作ってみましたが、ChatGPTの文章を理解して組み立てる力は、メールだけに使えるものではありません。

たとえば、

会議で話す内容を整理してもらう。

プレゼンの台本を作ってもらう。

「この資料で10分説明したい」と、発表の流れを考えてもらう。

会議資料そのものの構成を相談する。

そんな使い方もできます。

特に今回のように、

「もう少し柔らかく」

「ここは強調したい」

「難しい言葉を使わず説明したい」

「上司に説明するので少し堅めに」

といった日本語のニュアンスを会話しながら調整できることは、仕事でAIを使ううえでかなり役立ちそうです。

これから「大人のAI手帖」では、「仕事で使うAI」として、

「プレゼンの台本をChatGPTに書いてもらったら?」

「会議資料をかなり丸投げしてみたら?」

といった使い方も、実際に試して紹介していきたいと思います。

大切なメールは、最後に自分でも確認を

もちろん、ChatGPTが作った文章をそのまま何も確認せず送るのはおすすめしません。

日付、曜日、相手の名前、会社名、金額などに間違いがないか確認しましょう。

また、ChatGPTはこちらと相手の本当の関係性までは知りません。

普段からかなりくだけたメールを送り合っている相手なら、作られた文章が堅すぎることもあります。

反対に、とても重要な取引先なら、より慎重な表現が必要なこともあります。

最後に送信ボタンを押すのは自分。

これは忘れないようにしたいところです。

会社によっては、生成AIに社内情報や取引先情報を入力することについてルールを設けている場合もあります。会社の規則を確認し、機密情報や個人情報などを安易に入力しないことも大切です。


「ちゃんと書いて」から始めてもいい

今回ChatGPTに入力したのは、

「取引先に送るちゃんとしたメールにして」

「失礼にならないメールにして」

「このまま送ると感じ悪い」

「急かしたくない。でも焦ってる感だして」

という、ごく普通の話し言葉でした。

それでも、ビジネスで使える形まで文章を整えることができました。

AIを仕事で使うというと、なんだか難しそうに感じるかもしれません。

でも最初は、

「これ、ちゃんとした文章にして」

くらいから始めてもいいんです。

うまく伝わらなければ、もう一度説明すればいい。

「もう少しこうして」と頼めばいい。

日本語の微妙なニュアンスまで相談しながら、一緒に文章を作っていける。

それが、ChatGPTを仕事の相棒として使う面白さなのかもしれません。

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