父と息子④

裁判員裁判
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罪名:傷害致死 T被告人:男性(30代) 職業:アルバイト

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切なく悲しい「家族とは」と考えさせられる事件です。
犯行時について詳細に語られるので、読み進める人は注意してね。
今回は検察からの被告人質問。犯行の様子を詳細に語ります。

被告人質問 検察側
検察:1月2日はどこで暴行しましたか?
T被告人:居間のストーブの前です。
検察:被害者はどんな姿勢でした?
T被告人:あぐらをかいていて、その背中を後ろから叩きました。
検察:手はどの位置でどのように叩きましたか?
T被告人:左手で首の辺りをおさえて、右手の拳で殴りました。頭くらいまであげた拳を振り下ろしました。
検察:どこを殴ったんですか?
T被告人:背中の右側に拳を振り下ろし、返す手で左側も叩きました。
検察:何回ぐらい?
T被告人:5発ぐらいだと思います。
検察:逮捕後、警察で10数回殴ったって言ったよね?
T被告人:言ったかもしれません。
検察:殴ったあとお父さんはどうなりましたか?
T被告人:上半身が下がっていきました。
検察:父は何か言いましたか?
T被告人:「痛い」「やめてくれ」「あーうー」と声を出していました。
検察:抵抗はしてきましたか?
T被告人:してきませんでした。

検察:お母さんに止められましたか?
T被告人:はい。
検察:どんなふうに?
T被告人:自分の前に出てきたので、叩くのをやめました。
検察:警察にとめてきた母をどかして、暴行を続けたって言ったよね?
T被告人:言ったかもしれません。
検察:実際はどうだったんですか?
T被告人:ちょっとわかりません。1、2発叩いたかも。
検察:なぜ殴ったんですか?勉強していないから?
T被告人:約束を守らないのと、嘘をついたからです。
検察:勉強のドリルはめくって確認しましたか?
T被告人:していません。

検察:1月2日は休みでしたよね?家にいて何をしていましたか?
T被告人:昼に起きてゲームをしていました。その後、仕事の母を迎えに行きました。
検察:お父さんに声はかけた?
T被告人:普段はかけてるけど1月2日は言っていません。
検察:声をかけて一緒にドリルをしなかったの?
T被告人:言うことはありませんでした。

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ここから犯行当日の様子が詳細に語られます。
苦手な方は読まないようにしてください。


検察:1月3日はどこで暴行しましたか?
T被告人:居間のストーブの前で1、2発叩いて、その後声がうるさくて寝室に連れていって暴行しました。
検察:居間の時はどのように暴行しましたか?
T被告人:あぐらをかいている父の後ろから、左手で首の辺りを押さえ右の拳で叩きました。
検察:お父さん、声は出していた?
T被告人:痛いとは言ってました。うめき声もあげていました。
検察:抵抗しましたか?
T被告人:いいえ、なかったです。
検察:何で寝室に連れていったんですか?
T被告人:父の声がデカかったので。
検察:その時はお母さんに止められた?
T被告人:止められたけど連れて行きました。
検察:寝室でのお父さんの様子は?
T被告人:布団に座って前屈みになっていました。
検察:あなたはどこにいたんですか?
T被告人:父の左にいたと思います。
検察:警察では後ろにいたって言ってませんでした?
T被告人:最初後ろにいて、叩くうちに体勢を崩して左に動きました。
検察:具体的にどう暴行しましたか?
T被告人:左手で首の辺りを押さえて、右手で拳を振り下ろしました。
検察:何回叩いたの?
T被告人:5発以上叩きました。力は60~70%ぐらいだったと思います。
検察:お父さんの様子は?抵抗した?
T被告人:「痛い」や呻き声はあげましたが、抵抗はしませんでした。
検察:お母さんには止められた?
T被告人:やめなさいと言われました。
検察:それでどうしたの?
T被告人:注意されてやめました。

検察:勉強していないことに腹が立ったの?
T被告人:そうです。
検察:ドリルは確認しましたか?
T被告人:していません。
検察:一緒にやろうよとは言わなかったの?
T被告人:言ってません。
検察:お父さんに布団かけたよね?
T被告人:うるさかったから布団をかけました。
検察:その後はどうしましたか?
T被告人:居間に戻ってテレビを見てたら様子が変だなと思いました。声がしなくて。心臓マッサージをして、母が119番に電話をしました。

検察:1月2日以前に暴力を振るったことは?
T被告人:5〜10回は振るったと思います。
検察:何で暴力を振るったんですか?
T被告人:日課をやっていなくて、嘘やごまかしもあったから。
検察:お姉さんには相談しなかったんですか?
T被告人:しませんでした。
検察:家に食費は入れてましたか?
T被告人:4〜5万くらい入れていました。
検察:お父さんがトイレに間に合わなかった回数は?
T被告人:2回くらい。大も小もありました。
検察:介護で増えた仕事は、父の病院の送迎だけ?
T被告人:それだけです。
検察:行政や周囲に相談しなかったんですか?
T被告人:役所とかに相談するって考えに至りませんでした。

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検察は事件当時の様子を詳細に聞いて行きます。
この時点でトイレの失敗はあったが、介護自体が増えていた訳ではないと。
進行を憂いてなのか、苛立ちをぶつけたのか。

介護疲れとは違う理由があったのかと思います。

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