父と息子②

裁判員裁判
記事内に広告が含まれています。

罪名:傷害致死 T被告人:男性(30代) 職業:アルバイト

toto
toto

切なく悲しい「家族とは」と考えさせられる事件です。
犯行時について詳細に語られるので、読み進める人は注意してね。
今回は結婚して家から出ていたお姉さんの証言です。

証人尋問  弁護側
弁護士:両親はどんな人達ですか?
被告姉:仲良しな夫婦です。
弁護士:不満はありましたか?
被告姉:もう少し部屋の片付けとかはやって欲しかったなと。
弁護士:長男(被告人)はどんな人ですか?
被告姉:おとなしい人です。
弁護士:妹(高校生)は?
被告姉:今時の女の子といった感じです。
弁護士:あなた自身は?
被告姉:強く言うタイプです。思ったことを言っちゃう。
弁護士:あなたは家族に頼りにされていましたか?
被告姉:頼られていると思っていました。
弁護士:被告人は頼られていましたか?
被告姉:自分が結婚する時に、被告人に「あとはまかせた」と言いました。

弁護士:父の認知症については何か聞いていましたか?
被告姉:長男(被告人)から聞きました。昨年1月頃、職場でいじめられている、呂律がまわらない、上の空で話すなど。
弁護士:姉から見て父はどんな様子でしたか?
被告姉:歩き方も60代には見えませんでした。食事を取るのも遅くて。
弁護士:車の運転などはどうでしたか?
被告姉:免許もなく保険にも入っていない。車もぶつけたのかベコベコだった。
弁護士:はじめに認知症かと思った時、病院代はどうしましたか?
被告姉:私が出して「行っておいで」と言いました。

弁護士:長男(被告人)から暴力を振るったと告白された時どう思いましたか?
被告姉:ストレスがあるのかと思い、体を動かしたりした方がいいんじゃない?と言いました。
弁護士:介護していたのは?
被告姉:長男が多めだったと思います。
弁護士:長男に怒ってはいないですか?
被告姉:怒っていません。長男一人が負担になったと思います。
弁護士:家族みんなはどう思っていますか?
被告姉:みんな怒っていないと思います。
弁護士:今、T被告人にはどんな気持ち?
被告姉:自分も悪かったと思っています。


証人尋問 姉 検察側
検察: 家族で話し合ったとのことですが、そのテーマは何でしたか?
被告姉: 「仕事していない」ということです。それで実家に行きました。
検察: 父にどんなことを言いました?
被告姉: もう少し頑張って働いてと言いました。離婚したらとも話しました。
検察: その話の最中の様子は?
被告姉: すでにおかしくて。それで病院に行かせました。
検察: T被告人が父に手を挙げたのはいつと聞きましたか?
被告姉: 時期は覚えていません。LINEで聞きました。
検察: なぜ父に手をあげたか聞きましたか?
被告姉: 排泄を失敗したのと、言うことを聞かなかったと話していました。
検察: 手をあげたことについて、あなたは何と答えましたか?
被告姉: 手を挙げるのはダメと言いました。
検察: 再度手を挙げるとは?
被告姉: 思っていませんでした。度々連絡もしていました。


証人尋問 姉 裁判員
裁判官: 心肺停止と聞いた時、姉としてどう思いましたか?
被告姉: 何が起こったかわからず、病気で倒れたと思いました。
裁判官: 逮捕されたと聞いた時は?
被告姉: なんでだろう?と思いました。
裁判官: 亡くなった原因を知った時どう思いましたか?
被告姉: 信じられませんでした。被告人がそんな人と思っていなかったので。
裁判官: 暴力を振るったのは知っていましたよね?
被告姉: もう殴らないと思っていました。

裁判官: 父にしつけで殴られたことは?
被告姉: ありません。
裁判官: T被告人と父の関係は?
被告姉: 良好でした。共通の趣味もあったので、会話もありました。
裁判官: 父が病気をしてからも関係は変わらなかった?
被告姉: 長男の負担は増えたと思います。

toto
toto

お姉さんの証言は客観的でした。彼女が病院を勧めたんですね。
この証言からT被告人が、日常的に暴力行為を行う人間ではないことが垣間見えます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました