罪名:傷害 M被告人:男性(20代) 職業:自称クリエイター
起訴状
被害者であるアパートの管理会社職員Sさんを路上に倒し、ボールペンで後頭部を刺し頚部を圧迫した。
冒頭陳述
被告人は児童相談所で育ち、傷害で前科一犯、4年前に傷害で1年6ヶ月の執行猶予付判決をうけている。
自身の住むアパート前で、作業中の管理会社担当にチラシについて抗議したところ口論となった。
胸ぐらを掴んで路上に引き倒し頚椎を捻挫させる。
管理会社職員である被害者Sさんは、アパート内であった器物損壊の注意喚起チラシを配っていたところ、M被告人に「なぜうちには配らない」とクレームをつけられ暴行を受ける。
M被告人は管理会社に騒音の苦情で対応を求めていたが、何もしてくれないと感じていた。
今回被告のポストにチラシを入れなかったのはSさんが「またクレームになるのでは」と思ったため。
M被告人に「俺が犯人だと思ってんでしょ?」と詰め寄られ、建物外に逃げながら警察に連絡したが、建物の外にでたところでM被告人に暴行を加えられる。
凶器はSさんのポケットから飛び出たボールペンだった。
M被告人はボールペンで目を抉ってやろうと思ったと供述。
精神障害(ADHDなど)、反社会性パーソナリティ障害など診断されている。
私、元管理会社職員。まじで笑えない事件。
被告人質問 弁護側
弁護士: 被害者に対して、今回のことどう思っている?
M被告人: 暴力を振るったことは申し訳ないと思っています。
弁護士: 暴力で解決しようとしたことは?
M被告人: 悪いことと思ってます。
弁護士: すぐに暴力を振るう性格ですか?
M被告人: そうです。
弁護士: どう治していこうと?
M被告人: 入院しようと思います。病院を出たらグループホームに入りたい。
被告人質問 検察側
検察: クリエイターということですが今後の収入は?
M被告人: ハンドメイドは顧客をつかむことを考えています。ブログは収益化しています。
検察: 前回逮捕された時も傷害でしたが、同じ病院に入院中だった患者さんへの暴力ですよね?
M被告人: 殺すぞと言われて暴力を振るいました。
検察: 社会に出てから助けてくれそうな人はいますか?
M被告人: わかりません。
検察: 社会に出たら何をします?
M被告人: グループホームでクリエイターとしてやって行きたい。
検察: グループホームや病院の手続きはどうするの?
M被告人: 後見人制度を使う予定です。
この人のブログとハンドメイド作品が、めっちゃ気になる。
被告人質問 弁護側
弁護士: 今後お世話になる予定の支援員さんとは話しましたか?
M被告人: 話したのは覚えています。
被告人質問 裁判官
裁判官: 事件当時言った「俺を犯人だと思ってんでしょ?」は覚えてる?
M被告人: はっきりとは覚えていないが言ったような気がします。そう思っていたので。
裁判官: 通院中の薬は効いていましたか?
M被告人: ただ薬をもらっているだけだったので、自分にあってるのかどうかわからなかった。
裁判官: 頼れる人は?
M被告人: 後見人の人や支援員の人です。
裁判官: 病院の先生は?
M被告人: 病院を変えるつもり。適切な病院を探したいと思っています。
病院ではあまり話を聞いてもらえなかったのかな。
今度は親身になってくれる病院が見つかるといいね。
論告 検察側
精神障害があったとしても、警察で合理的に説明ができている。記憶の欠如もない。
目を突き刺せなかったのは被害者が避けたから。カスハラで解決しようとしていた。
被害者は被告の怒りに触れないように対応していたのに一方的な暴行を受けた。
懲役2年を求刑します。
弁論 弁護側
管理会社から不当な扱いを受けたと感じての犯行。
刃物などは使っていないので計画性も悪質性もない。
精神障害もあり、犯行時自身のコントロールができていなかった。
虐待を受け児童養護施設を転々としていた過去がある。
事件当時は心神耗弱状態にあったと思われる。再犯防止には適切な治療が必要。
執行猶予付きの寛大な判決を求めます。
管理会社さんは人の暮らしに密着する仕事だからトラブルも多い。
でも一生懸命お仕事してるので、みなさん優しくしてあげてください。
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